天気予報を見ていると、よく耳にする前線ですが、なんとなくはわかっていても細かいことはちょっと・・・
という方も多いようです。
前線とは何か、前線にはどんな種類があるか、前線の移動についてみてみましょう!
前線とは?
そもそも前線とは何でしょうか?
広い地域に広がり、温度や湿度などほとんど同じ性質の空気のかたまりのことを「気団」といいます。
空気は簡単には混ざるこがありません。
冷たい空気のかたまりと、暖かい空気のかたまり、このそれぞれの気団が押し合って移動したりします。この押し合う際に気団同士が接触している面の事を「前線面」といいます。
その「前線面」が地表と交わって接している線を「前線」といいます。
前線は数10kmから数100kmの長さになります。偏西風によって西から東へ動くことが多いです。
前線を境に別の気団があるということは、前線を境に温度や湿度、風向きが違うということです。そのため、前線が通過する場合、天気が変わることが多くなります。
日本周辺では北極に近い北側には冷たい空気のかたまりが、赤道に近い南側では暖かい空気のかたまりがあり接触しています。
前線の上空、前線面は地面と垂直になって境界があるのではありません。
密度が大きく冷たい空気は下に潜り込み、、密度が小さく暖かい気団は上に乗り上げる状態になります。
前線の種類や特徴について
前線には4つの種類があります。その種類と特徴を見てみましょう。
寒冷前線
勢いのある冷たい空気のかたまりが、あたたかい空気のかたまりに向かって移動してできる前線。
温暖前線
勢いのある暖かい空気のかたまりが、冷たい空気のかたまりに向かって移動してできる前線。
停滞前線
冷たい空気のかたまりと暖かい空気のかたまりの勢いが同じくらいの時にできる前線。勢いが同じくらいなのでなかなか移動せず、その場に停滞している前線。
「梅雨前線」や「秋雨前線」なども停滞前線です。
閉塞前線
寒冷前線は、温暖前線に比べて移動する速度が速いです。そのため、寒冷前線は温暖前線に追いつき、その前線の間にあった暖かい空気のかたまりが、冷たい空気のかたまりによって上に押し上げられてしまった前線。暖かい空気のかたまりが上に行ってしまったため地表では冷たい空気でおおわれている。
この閉塞前線には2種類あります。
・寒冷型
寒冷前線の寒気が温暖前線の寒気より冷たく、温暖前線の寒気の下に潜り込む。
・温暖型
温暖前線の寒気が寒冷前線の寒気より冷たく、寒冷前線の寒気が上に上がる。
前線の移動について
シベリア気団など大陸からくる乾燥した気団と、小笠原気団など海洋からくる湿った気団がぶつかり前線になります。
夏には海洋からくる気団の勢いがあり、前線を北に移動するため、夏は蒸し暑く、冬には大陸からくる気団が勢いがあり前線を南に移動するため、寒くなります。
温暖前線はゆっくりと移動するため、乱層雲など水平方向に雲が広がります。広い範囲で弱く長く雨が降ります。
寒冷前線は速い速度で移動します。そのため、積乱雲などの縦方向に雲が発達し、狭い範囲で強い雨が降ります。
まとめ
温度や湿度など、同じ性質の空気のかたまりを気団といい、気団が別の気団に接触している面のことを「前線面」といい、「前線面」が地表と接している線を「前線」といいます。
前線には4種類あって、
・寒冷前線
・温暖前線
・停滞前線
・閉塞前線
があります。
梅雨前線や秋雨前線は停滞前線の仲間です。
また、閉塞前線は温暖前線と寒冷前線の寒気がどちらが冷たいかによって、寒冷型と閉塞型に分かれます。
前線付近では雨が降りやすく、この前線が移動することで、夏は蒸し暑く、冬は寒くなります。