もみじ肉とは何の肉のことだろう??初めてきたときには、植物なんだか動物なんだかイメージが全然湧きませんでした。
そこで、もみじ肉とは何か、もみじ肉と呼ばれる由来などまとめました。
また、もみじ肉を使った料理や、もみじ肉と同じ様ような言い回しの肉をご紹介します。
もみじ肉とは何の肉のこと?呼び方の由来は?
もみじ肉とは鹿肉の事を指します。
鹿肉をもみじと別名で言うようになった由来は諸説あります。
もみじ肉というのは鹿肉の隠語になります。
よく言われているのは
花札の10月を指す高得点札の「鹿にもみじ」から想起されたという説です。
また、平安時代に和歌の名手で三十六歌仙の一人である猿丸大夫(さるまるのたいふ)という人がいます。
その人が「古今集」に読んだ
「奥山に もみじ踏みわけ 鳴く鹿の声きく時ぞ 秋は悲しき」の和歌から
「もみじ=鹿」というイメージが結びついた為と言う説が有ります。
後は生類憐みの令が発令されている時代奈良では「神獣」として大切に扱われている鹿を殺すことは極刑に値する行為でした。
ある少年が勉強中に大事な紙を鹿に食べられそうになり文鎮で追い払ったところ運悪く命中し鹿が死んでしまいました。
その少年は極刑に処され命を落とします。
嘆き悲しんだ母親がその子の墓に1本のもみじを植えたという
悲しいエピソードからもみじ=鹿となったという説も有ります。
日本では歴史的に肉を食べる事を禁止する法令(五代将軍・徳川綱吉が発布した生類憐れみの令等)が度々発令されました。
それと合わせ仏教などではむやみに生き物を殺生することは禁じられている為僧侶や人々等が大っぴらに肉を食べるのが
憚られる時に直接的な言葉を使わずその物を指す「隠語」として「鹿肉=もみじ」と使い始めたと言われています。
もみじ肉の料理ってどんなものがあるの?
もみじ肉を使った料理をご紹介します。
代表的なのはもみじ鍋・ジンギスカン等でローストビーフならぬローストもみじ・カレー・ハンバーグ等和食でも洋食でも様々な料理が有ります。
しっかりと血抜き処理されたもみじ肉はあっさりした赤みのお肉で野生動物独特の臭みや癖もなく食べやすいのでどんなお料理にも向きます。
もみじ肉の生食はE型肝炎の感染源となったり食中毒を引き起こす住肉胞子虫がいる恐れが高いのでしっかりと加熱調理をしましょう。
もみじ肉は牛や豚肉と比べるとカロリーが3分の1と低く、脂肪分も10分の1・タンパク質は約2倍です。
鉄分が3倍も含まれ血液をサラサラにすると言われている成分のDHAがたくさん含まれている大変健康に良いお肉です。
最近ではローカロリーで栄養豊富な事からダイエット中に食べると良いお肉として若い女性に大変人気が有ります。
昔はこのもみじ肉を「薬肉」として珍重してきましたがその習慣は薄れ市場では余り見掛けないお肉です。
日本では2000年頃からエゾシカ等が森で繁殖しすぎていることを危惧し
食用としてもう一度見直そうという動きが活発になってきています。
フランス等のヨーロッパでは鹿やイノシシなどの野生動物を食べる「ジビエ料理」の文化が有ります。
もみじ肉と同じ様に〇〇肉って言う肉はありますか?
日本にはいくつか肉を隠語で呼ぶ風習が残っています。
「牡丹=イノシシ肉」「桜=馬肉」「柏=鶏肉」等です。
生類憐みの令が無なり自由にお肉を食べられるようになった現代でも
これらのお肉を取り扱う肉の専門店ではこのような言葉が店頭に書かれている事が有ります。
まとめ
もみじ肉は鹿肉を指す隠語です。
古今集に歌われた和歌から着想を得たとか悲しい少年のエピソードなど
様々な説が有りますが今も昔もダメと言われると隠れてでもやってみたくなるチャレンジャーが居るものですね。
もみじ肉は健康に大変良いお肉ですので積極的に取り入れたい食材の一つです。