
台風のたまごってなんとなくこれから台風になるんだろうなっていうイメージですよね。
台風のたまごから台風になって温帯低気圧に変わるまで、順番に見ていきましょう。
台風のたまごとはどういう意味?
お盆を過ぎると台風シーズンの到来です。
この時期によく天気予報で気象予報士が「南の海上にはまだ台風にはなっていませんが、あと数日のうちに台風になる可能性が高い”台風のたまご”があります」というようなことを言っていますので、「台風のたまご」という単語を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
しかしこの「台風のたまご」とはいったいなんのことでしょうか?
その言葉通りだいたいイメージが湧くかもしれませんが、「台風のたまご」とは台風になる前段階の弱い熱帯低気圧のことで、発達すると台風になるもののことを言っています。
では熱帯低気圧とはなにか?というと、熱帯から亜熱帯の海(日本よりもはるか南の海上、赤道付近)で発生する低気圧の事を指しています。
実際、台風も熱帯低気圧ではあるのですが、最大風速の強さが異なります。
台風とは「最大平均風速が17.2メートル以上の熱帯低気圧」の事を指し、台風のたまごというと最大平均風速はそれ以下、ということになります。
どうなると台風になるの?
台風のたまごはどうしたら台風になるのでしょうか?
まずは台風発生のメカニズムからです。
海水温が高く日差しも強い熱帯の海上では、太陽の熱によりたくさんの水蒸気が発生します。暖められた水蒸気はまわりの空気より軽くなるため、上昇気流が発生します。
この上昇気流は上空で冷やされると水になり雲を発生させます。この時に放出された熱まわりの空気を暖めますので、さらに上昇気流は発達していきます。
この暖められた空気は軽く、周囲より気圧が低くなるため低気圧を発生させます。空気は気圧の高い所から低いところに流れ込むため、水蒸気を含んだ空気がどんどんと流入します。そして地球の自転の影響から反時計回り渦を描くようになります。ここまでが台風のたまごの発生するメカニズムです。
台風のたまごは偏西風にのって日本の近海にやってきますが、夏は日本の周りの海水温もそうとう高いため、台風のたまごは小さくなることなくこの後もどんどんと周囲の空気を取り込んで大きくなっていきます。こうして発達してたいふうに台風のたまごは台風になるのです。
台風が温帯低気圧に変わるってどういうこと?
温帯低気圧とは北側の寒い空気と南側の暖かい空気が混ざり合おうとして渦を巻くことで発達した低気圧の事を言います。
台風は暖かい空気だけで発達していましたから、温帯低気圧とはまったく性状が異なりますね。 温帯低気圧とは北側の寒い空気と南側の暖かい空気が混ざり合おうとして渦を巻くことで発達した低気圧の事を言います。
台風は暖かい空気だけで発達していましたから、温帯低気圧とはまったく性状が異なりますね。
では台風はどのように温帯低気圧に変わっていくのでしょうか?
先程も紹介した通り、台風のエネルギー源は暖かい海水から供給される暖かい空気とそれに含まれた暖かい水蒸気です。
赤道から離れ北に行けば行くほど海水温が下がっていくことはご存知かと思いますが、北上した台風は徐々に海水温が低くなるにつれてエネルギー源がなくなるため、勢力が弱まって行きます。また同時に周囲の冷たい空気も取り込んでいきます。そしてもともと台風が持っていた暖かい空気と北上して取り込んだ冷たい空気が混じり合うことになり、温帯低気圧に変わっていくのです。
温帯低気圧は熱帯低気圧とはそもそもの仕組みが全く異なりますので、どれだけ発達して風力が強くなったとしても台風に戻ることはありません。
まとめ
これから台風シーズンの到来とともによく聞くようになる「台風のたまご」という言葉。
これは今後発達して台風になるであろう熱帯低気圧の事を表しています。
台風のたまごは南の海上の暖かい空気を取り込んで発達し、台風になる熱帯低気圧の事です。
台風のたまごと台風は最大平均風速の違いで分けているようです。
だれが初めに言ったかわかりませんが、なかなか面白い表現ですね!